観(み)る/令和3年1月の法話/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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観(み)る/令和3年1月の法話


観(み)る/令和3年1月の法話の画像1
【担 当】 尾原昭悦 師 〔愛知県西尾市 養林寺 住職〕
【御 題】 「観(み)る」

 


 

 


 

 

見上げる空は日常です。
今日も太陽が東から昇り、西に沈み、夜の月は日々表情を変えています。
昔の方はそんな 太陽がもたらしてくれる恵みに、暗闇を優しく照らしてくれる月に
手を合わせ感謝したそうです。
だから「お日様・お天道様」、「お月様」なんですね。

でも 周りの日常は一年前とは様変わりをしています。
非日常の様々な状況に「早く日常がもどりますように」と
大切な方々と何度、この言葉を交わしたことでしょう。

会う人、皆マスク姿です。「すみません、どちらさまでした?」
「わたし、わたし。俺、俺」「気が付かず、ごめんなさい」
このやりとりも何度したことでしょう。
マスク姿の方の表情や感情はくみ取ることが難しいですね。

日中礼讃偈(にっちゅうらいさんげ)のお経様に観音菩薩様の慈悲の功徳についての
文言がございます。

一切五道内身中(いっさいごどうないしんちゅう)  
一切の五道(の苦しみの様子)を身中に入れて

六時観察三輪応(ろくじかんざつさんりんのう)  
六時(絶え間なく)観察して三輪(の働きをもって)応ず

意味合いは
すべての生きとし生けるものの苦しみの様子を光の中に映し出し、
絶え間なくわれわれの心を察して、柔らかなふるまいと穏やかな語りと
優しい思いやりをもって応じてくれる 
と いうお経様です

観音菩薩様のようにいかなくても、ただ見るのではなく、仏様のように広い視野で
心を「観る」という行為と対応は意識する中で実践でき、いつの間にか身につくもので
ありましょう。お一人お一人の「観る」気持ちが、新しい温かい日常へのあしがかりと
なるのではないでしょうか。

阿弥陀様、ご先祖様は コロナ禍(日常となりつつある非日常の中)で奮闘している
私たちを いつもいつも、観て(お見守り)くださっておられます。
私たちも阿弥陀様、ご先祖様を観る(向き合う)機会を大切にしてみましょう。

毎日 ほんのひとときでいいので、お仏壇の前で手を合わせ 「南無阿弥陀仏」 と
阿弥陀様、ご先祖様に感謝の念仏をお唱えする 信仰の日暮らしをいたしましょう。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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