「彼岸に向けて、精進行」平成28年9月の法話(1)
【担 当】 小島雅道 師 〔愛知県岡崎市 圓福寺 住職〕
【御 題】 「彼岸に向けて、精進行」
彼岸に向けて、精進行
この世からあの世へ、すなわち、西方浄土、極楽世界へ行くために、六つの行いがあります。布施行、持戒行、忍辱行、精進行、禅定行、智恵行の六つです。簡単に言うと、施し、守り、耐えて、努力し、心静かに、感謝をすると言うことになります。ところで、この中の、精進行だけは、どの行いにも当てはまる行いです。
精進と言う言葉は、今でも普通に使います。たとえば、「精進しなさい」と言うときは、自分に厳しく努力しなさいと言う意味で使います。また、肉や魚を用いない料理を『精進料理』と言います。本来の意味は、覚るため、仏に成るためにひたむきに、勇敢に善を勤め、励む行為を言います。「精」という字には、純粋な、混じりけのないと言う意味があります。そして、心、魂と言う意味も持ちます。
『露の身は、ここかしこにて消えぬとも 心は同じ 華のうてなぞ』
法然上人のおうたです。露のようにはかないこの身です。突然、病気になったり、事故に遭ったり、自然の災害にと私達の命は、いつどこで、突然旅立ちの日を迎えるか解りません。だからこそ、毎日を後悔の無いように過ごさなくてはなりません。精一杯の努力を惜しんではいけません。
私達は、決して何にも混ざらない清らかで、純粋な心、仏心を頂いています。普段は、様々な欲望で埃をかぶっていますが、その心に気づき、たゆまない努力で、埃を払って、その心を育てて行かなくてはなりません。それが「精進行」です。美しい極楽世界の蓮華台に心を寄せて、お彼岸を迎えましょう。
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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