平成27年12月の法話(1)/榊原慶憲師
【担 当】 榊原慶憲 師 〔京都市伏見区 真宗院 住職〕
【御 題】 「孫の手も、借りて十夜会、賑やかく」
稔りの秋に浄土宗系の寺院では「お十夜」の法要が勤められます。 小豆十夜とか蛸十夜とかいって赤いものを食べると疫病かからないという風習があるようです。 真宗院では紅ショウガの鮮やかなお寿司のお供養を致します。
また赤い蝋燭(ろうそく)は仏様やご先祖への感謝の心を表しております。 諺に「親の意見と茄子の花は、千に一つの無駄はない」とあります。
亡父が「横着から隙(ひま)がでる」といっておりました。 横着な心で物事に当たると後でかえって余計な手間がかかることになる。 「拙速(せっそく)」ということを教えていたのです。
世上の手抜き工事、偽装、詐欺。 けしからん事だと批判はするけれども、よく反省をしてみると自身の横着な濁った心。さらにこれを拭いきれない自分に恥じ入るのであります。
法然上人はお念仏を「浄摩尼珠」という宝の珠にお喩えになりました。 この浄摩尼珠を濁った水の中に人れると忽ちに濁った水が清らかになるという宝の珠です。 それと同じように、心にお念仏をいただけば横着者の濁った心も明るい清らかな心になれる。お念仏のご利益であります。
その報恩感謝のお動めが「十夜法要」であります。
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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