「法事について」平成28年10月の法話(2)/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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「法事について」平成28年10月の法話(2)


「法事について」平成28年10月の法話(2)の画像1
【担 当】 糟谷秀玄 師 〔愛知県西尾市 徳林寺 住職〕
【御 題】 「法事について」

 


 

 


 

 

私は檀家の皆様に「普段着で気持ちのいい法事をしましょう」という呼びかけをして7年になろうとしています。

「法事・服装」という言葉でネット検索すると、男性は黒のスーツと黒のネクタイ、女性は黒のワンピース。どうもこれらを略礼服とよんでいるそうで、法事にふさわしい服装だといわれています。

法事となれば、お家の方は、日程を決め、招待客に案内をし、人数を把握し、食事の手配をして、当日になれば、私たちお寺さんや招いた方々に失礼が無いか気を配り、不備があれば、誰かに何かを言われ、すべてが終わるとご本人や奥様をはじめそのお家の人はクタクタになってしまうそうです。

法事はそんなものだといわれるかもしれませんが、私にはそれがどうしても納得いきません。

そもそも浄土宗では、年忌法要は、亡くなった故人や先祖への追善供養のためのおつとめといわれています。供養とは仏様に供物や花を供え、お経をとなえ、手を合わせておまいりすることです。それにより亡き人も生きている人も阿弥陀様の光明の中にお導きいただくことになるのです。

しかし、おまいりするお家のかたや、招かれたかたが、雑談もなくシーンと静まりかえり、真っ黒な20人ぐらいの人々に見守られながら、お茶をいただき、衣に着替え、それからお経をはじめるときの状況は言葉にできないほどの苦行であります。さらにそれが夏の暑い日でエアコンがあまり効かず、私もおまいりの人も体から染みて出てくるいやな汗をを感じながらはじめるときは、これこそまさに地獄だと思えるほどです。

これが本当に供養なのでしょうか?私の疑問の出発点はそこにありました。なんとか、皆が笑顔で気持ちよく法事ができないのでしょうか。法事というものはそんなに辛いことなのでしょうか

私はお年忌の主役は年忌となった故人と考えています。そしてその故人を供養するということは、故人が喜んでくれることであり、故人がいちばん喜ぶことは、その場に集まった人たちが楽しく気持ちよく過ごしてくれることだと思います。今生きている私たちでも家族がみな笑顔でいてくれることが何よりの幸せなのです。

それでは、そのためにはどうしたらよいのか。私が考えたのは「普段着で法事を」ということでした。来られた人が、冗談を交えながら近況を語ったり、思い出話に花を咲かせたり、世間話をしたり。楽しく気持ちよく法事をするのにどうしても黒い服が邪魔をしているような気がしてなりません。

おかげさまでこの取り組みをはじめて7年、約5割の皆様が普段着で法事をされています。まだ道半ばですが、1周忌や四十九日満中陰を普段着でやられる方も増えてきました。

実際に普段着でされた皆様に感想を聞いたところ、よくなかったと答えられた方は今のところ1件もありません。
ただ、おつとめ後の食事で、黒い服のときは早々に終わるのですが、普段着だと思いのほか盛り上がってしまい、お酒の量も増え、お開きが伸びてしまい帰る時間が遅くなるという、檀家さんと料理屋さんからの苦情が1件ずつありました。

また、普段着なので法事のあとの食事もバリエーションが増えたようで、中華料理やイタリアンそして焼肉さらにはお庭でバーベキューというかたまでいらっしゃいます。

普段着で法事だとお寺さんに失礼ではないか。といわれる方もおられますが、故人の喜びは、ほとけさまの喜びであり、ほとけさまの喜びはもちろん私たち僧侶のよろこびでもあり、まったく心配はないと思います。

お年忌は故人と皆様方の何年かに1度の御縁です。せっかくの御縁ですからどうか嫌に思わず、今できる範囲で楽しく・気持ちよくおつとめください。

ありがとうございました。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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