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浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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花のうてな/令和2年5月の法話


花のうてな/令和2年5月の法話の画像1
【担 当】 河合弘善 師 〔愛知県西尾市 清海寺 徒弟〕
【御 題】 「花のうてな」

 


 

 


 

 

承安五年の春、お念仏の元祖、法然上人が浄土宗をお開きになられ、令和六年で850年となります。

「こころの乱れたままで、ただ、阿弥陀仏のみ名をとなえさえすれば、本願のみこころによって、必ず往生できる」という確信をもたれたのです。上人、御年43歳の時でありました。これが「念仏往生」。一心に阿弥陀仏を念じ、名号を唱えて極楽に往生することです。

法然さまは、南無阿弥陀仏とお念仏を唱えることにより、全ての人が平等に阿弥陀様に救われていく道をお説きになられたのです。しかも、阿弥陀様の方から先手かけてお救い下さるというのです。何と有難いことでしょう。

私の両親が生前、共に90歳を過ぎてから、新幹線で私と三人で京都の本山参りをしたことがあります。帰りの新幹線の中で母が父に尋ねたのです。

「おじいさん、東京にも行ったし、京都へも来れた。今度はどこへいくねェ?」

すると父は、「今度は極楽だヮ」とにっこり笑って答えていました。

93歳で亡くなった、そんな父の葬儀の日、私は棺にこっそり色紙を入れておいたのです。法然さまの御詠『つゆの実は ここかしこにて消えぬとも 心は同じ花のうてなぞ』そう書き添えて...

「人の生命(いのち)は朝露のごとくはかないものであります。何時(いつ)、どこでどのようにして、この命を終るかもわかりません。しかし、お念仏を唱えれば必ずお浄土に生まれ蓮のうてなの上で会うことができるでしょう」

つまり、たとえこの世で大切な方との別れを迎えようとも南無阿弥陀仏とお念仏をお唱えする者どうし「心が同じ」ならば阿弥陀様のお迎えをいただき西方極楽浄土で又会えるでしょうということです。

私も感謝していた親に会えますように...

合掌

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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