お念仏は抑止力!/平成29年5月の法話(1)/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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お念仏は抑止力!/平成29年5月の法話(1)


お念仏は抑止力!/平成29年5月の法話(1)の画像1
【担 当】 小島英裕 師 〔京都市中京区 宝蔵寺 住職〕
【御 題】 「お念仏は抑止力!」

 


 

 


 

 

私たちが住んでいるこの世界は、人間界といいます。仏教では迷いの世界の一つです。四苦八苦の苦しみに満ちた俗世間です。自分の命や家族の命を守るために、毎日働き、食べて、一生懸命生きています。

そんな私たちの生活を助ける存在として、ロボットの開発が進んでいます。掃除ロボットや介護ロボット。自動運転の車も開発が進んでいます。便利だな!と、うかうかしていられません!ロボット中心の生活になることは、私たちの働く環境が奪われることであり、深刻な事態です。

ロボットは埋め込まれたデータに従い、マニュアル通り正確に仕事をこなし、与えられた役目を忠実に果たします。さて、私たちはロボットのように正確に、そして忠実に働くことができるでしょうか?残念ながら、できないのが私たち人間であります。それは「心」があるからです。

「心」は、調子の良い時もあれば、悪い時もあります。

ストレスがあったりすると、食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、怒ったりするのが私たちです。急な判断を迫られた時に、つい自我が出て、自分に有利で、後で言い訳が立つように考え、正確な判断ができないのが私たちです。

こんな俗まみれ、泥まみれの私たちを、お救いくださるのが阿弥陀様です。

お経様には「それ衆生あってこの光に遇う者は、三垢消滅し、身意柔軟なり 歓喜踊躍して善心を生ず」(『仏説無量寿経巻上』)と説かれています。

「清く、正しく、美しく」できない、やろうとしてもできない、どうしようもない私たち人間が、阿弥陀様の御名前をお唱えし、「心」を安らかにさせていただくのが「お念仏」です。「お念仏」を申せば、阿弥陀様のお力で、心を安らかに保つことができます。

心を安らかに保つということは、抑止力が増すということです。

念仏の信者は、けっして急ぎません!ゆとりのある生活を送ります。

赤信号では必ず立ち止まります。

電車の時間に焦っていても信号を待ち続けます。

自動車やバイクに乗っていても、制限速度を守ります。

自分のことよりも、まず人の話に耳を傾けます。

全て、阿弥陀様のお念仏による抑止力のご加護です。

「心」がある故にロボットには敵いませんが、私たちは信仰心を持つことで、心を平静にに保ち、時にはロボット以上の能力を発揮させていただくのです。ただ一向にお念仏をお唱えさせていただきましょう。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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