平成27年10月の法話(2)/足立昇龍師/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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平成27年10月の法話(2)/足立昇龍師


平成27年10月の法話(2)/足立昇龍師の画像1
【担 当】 足立昇龍 師 〔愛知県岡崎市 称名寺 徒弟〕
【御 題】 「福田(ふくでん)」

 


 

 


 

 

「福田(ふくでん)」

私のお寺は、旧東海道にあり、京より数え37番目の「藤川宿」にあります。

大学1つと高校2つ中学1つの学生生徒たちが利用する名鉄藤川駅と、国道1号線に隣接して、四年前より「道の駅」が出来、町内では初めてのコンビニができました!

今年は、徳川家康公四百年債としてにぎわいをみせており、そのひとつに田んぼアートを行いました。5月末に田植えを済ませ、一週間後には芽を出し、実りの7月8月の二か月ほど家康の顔を描いた田んぼアートとして楽しみました。彼岸杉には刈り取りをして終了となりました。

さて、仏教に「福田」という言葉があります。皆さんの良い行いが、稲穂のように功徳として実ることです。

種を蒔く=佛の教えに出会うこと。
芽を出す=その教えに心が動かされること。
肥料や太陽を得る=他人様から良い影響を受けること。
穂が実る=心が育ち、優しい気持ちになること。
お米を食す=栄養を得て、他人のために何かをしてあげること。

この田という漢字は、下に心と書くと「思う」という漢字であります。

お経様には「難思議」とあります。思議すること難し。「議」とは、言葉で説明すること。

田の心つまり「思(福田)」を解って戴くことは難しいと言うことであります。

稲穂として実るお米でありましても、人の心が同じように育つのは難しいという意味になります。

では、私たちはどうすればよいのでしょうか?

田に種を蒔くように、佛の教えに出会うことであります。

どういうことでしょうか?

普段の生活からできます。まずは、お父さんお母さんを大切にする事からです。育てて戴いたことに感謝し、いたわることです。

次は、そのお父さんお母さん。つまりお爺ちゃんお婆ちゃんです。もう亡くなっていたら、その方が、あなたにとっての大切な佛さまであります。お爺ちゃんの人生、言葉が教えであります。見習うべき事。真似しないことがよいこと。

田んぼに芽が出るように、佛によってあなたの心がちょっと動かされていきます。

稲にとっての太陽の光や熱は、あなたにとっての接する他人様であります。より多くの方と出会えば、人間として成長し、心が豊かになります。

お米としてだれもが食べられるということは、佛をきっかけに実った心は、他人様へ優しく接すると言うことになります。

これが、「福田」というものです。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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