暗闇の先に光が!/令和3年7月の法話
【担 当】 渡邉妙静 師 〔愛知県西尾市 清海寺 徒弟〕
【御 題】 「暗闇の先に光が!」
こんな時代が来るとは誰が想像したでしょうか?マスクは冬かあるいは一部の人が春につるけるものでした。夏もマスクをつけるのが常識となり二度目の夏がやってきました。店に入るのも消毒、ところにより検温。帰宅時にはうがい手洗いにも慣れました。
われらの日常を変えたのは新型コロナウィルス。我らには抗体がない。有効な治療薬がない。あっという間に世界中に新型コロナは広がり現在に至っております。連日コロナの名前を聞かない日がない程です。
三蜜(密閉・密集・密接)にならにように、なるべく人込みに出ないように。本来「三蜜」は仏教用語です。コロナの闇が身近に迫りつつありましたがやっと光がみえてきました。それはコロナワクチンです。ここ日本でも医療従事者から始まり高齢者の順で光は届きつつあります。この光を届けるにあたって身を削って働く医者や看護師の皆様に敬意と感謝の気持ちを送りたいと思います。
「月影のいたらぬ里はなけれども、ながむる人の心にぞすむ」
浄土宗を開かれた法然上人のお歌です。
新型コロナが広がるにつれ心のバランスを崩す人が多くなってまいりました。心の闇です。夜目の利かぬ我々は闇が恐ろしい。闇の中では前に進むことも後ろに退くこともできずただ立ち竦むのみです。そこに月の光があれば足元が見え行く先も見えてまいります。月影とは阿弥陀様の慈悲の心です。
月の光はこの地球上あらゆるところに届くように阿弥陀様は慈悲の光を我らに届けてくださいます。法然上人は「南無阿弥陀仏」と唱えてください。慈悲の心で包んでくださる阿弥陀様は皆様のそばにいらっしゃいます。いつも呼び掛けておられますがそれに気づく人が(実は気づかされる)あればそれに気づかない人もあるのが現実ですとお説きになったおります。
私達が阿弥陀様の名を呼べば阿弥陀様は必ず聞いて下さいます。私達が阿弥陀様を礼拝すれば間違いなく見ていてくださいます。私達が阿弥陀様に心をかければ阿弥陀様は疑いなく知っていて下さいます。
「仏心とは大慈悲なり、無縁の慈しみをもって衆生を摂取し給う」 仏の大慈悲は真実であり更には無障礙であると善導大師は観無量寿経に示しておられます。
私達と阿弥陀様は強い強い絆で結ばれておりますので朝に夕に阿弥陀様に手を合わせ、念仏を唱えることにより闇も貫く慈光を阿弥陀様から頂くことにより健やかな日々を過ごされますようお祈り申し上げます。
合掌
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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