平成26年10月の法話/神谷得祐師/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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平成26年10月の法話/神谷得祐師


平成26年10月の法話/神谷得祐師の画像1
【担 当】 神谷得祐 師 〔愛知県碧南市 海徳寺 住職〕
【御 題】 「いい加減」

 


 

 


 

 

還暦から数年たちましたが、気持ちはまだ若いつもりでいます。ところが孫たちが遊びに来ますと「おじいちゃん」と言われると、又違った気持ちで、長息しなくては、と思うこの頃であります。

中学校の同窓会が還暦の年にありました。その時に話をする機会をいただきましたので、「いい加減」という事で話をしました。

子供の頃には「いい加減にしとけよ」とよく親にこごとを言われました。元々のんびりな性格なので、しかられる事が多くあった様に思います。還暦を過ぎますと、今まで一所懸命にがんばって来た心と身体が、段々と無理のできない事になってきています。気持ちは若くありたい、もっとがんばりたいと思っても心や身体がついていけない事が多く出て来るのが、今の私どもだと思います。
「いい加減」人それぞれの加減があるわけです。自分の加減、体に沿った加減、無理をしない自分に合った動きをする事によって今後の生活にも元気で張りのある人生を送る事が出来ることだろうと思います。

お釈迦様が未だ修行中の折に、体力の限界まで様々な修行をし、果たしてこれで良いのかという疑問を持たれたという事であります。しばし修行を止めて、身体を清め、心を静め体力の回復に努められました。そしてあらためて心静かにめい想をし、悟りを開かれたという事であります

それぞれの体力に合った仕事、若い頃にはがむしゃらに、無理をしてがんばった事、しかし、今還暦をすぎて以前と同じ様な無理は必ず身体のどこかにひびいて来る、そんな身体です。ですから、身体の体力に応じた、無理をしない範囲での仕事、運動は「いい加減」な事であります。

若い人達には若い人達の仕事があります。そして還暦を過ぎた私どもには私どもに合った仕事を「いい加減」にしたいと思います。

毎日毎日の生活の中で、お互いに助け合いながら、心地よい空気を感じ、心地よい風に吹かれながら健康な身体を保持して、孫や曾孫に囲まれて、「長息してよかったなぁ」という人生を送りたいものであります。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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