平成20年10月の法話/新美直照師
【担 当】 新美直照 師 〔愛知県蒲郡市 玉泉院 副住職〕
【御 題】 「初心忘るべからず」
まだまだ暑い日が続いていますが、よくよく気をつけてみますと、この暑さのなかにも、かすかな秋の気配が感ぜられるようです。
先日、友人から旅行のおみやげを頂きました。 東京ディズニーランドへ行ってきたそうです。 その友人は、東京ディズニーランドへ十回以上も行っているそうです。 つい「また行ったの?」と、言ってしまいました。
二十五周年を迎えた東京ディズニーランドは、年間約千数百万人の入場者があり、その約80%は二度以上来た人だそうです。 その人たちに「なぜ何度も来るのですか?」と尋ねると、「いつ来ても新鮮なんだ」、「いつ来ても感動できる」と答える人がほとんどだそうです。 こう言っていただけるのは、開園当初からの目標であったと、取締役の方がインタビューに答えていました。
二十五年もの間、こうした人気を得ることができるのは素晴らしいことだと思います。 「初心忘るべからず」という言葉がありますが、まさに初心を忘れることなく日々の努力があったのでしょう。
善導大師さまが、「人もし生けるとき精進ならざれば喩えば樹に根なきがごとし、華を採って日中に置かば、よく幾ばくの時か鮮やかなることを得ん」と言われました。
これは、人として清らかに生きようとしても、精進を怠れば、根のない草木と同じである。 綺麗に咲いている華も、強い日差しに置いておけば、すぐに枯れてしまうだろうということです。
私たちも新鮮な気持ちを忘れてしまっては、鮮やかに生きることはできないのではないでしょうか。 初心を忘れることなく、生き生きとした日暮らしをしてみようではありませんか。
その為には、生かされているということに感謝をし、手を合わせ、お念仏を称えましょう。
合掌 十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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