平成24年7月の法話/足立昇龍師/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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平成24年7月の法話/足立昇龍師


平成24年7月の法話/足立昇龍師の画像1
【担 当】 足立昇龍 師 〔愛知県岡崎市 称名寺 徒弟〕
【御 題】 「無題」

 


 

 


 

 

あなたは、誰から生まれてきましたか? あなたのお母さんですね。

当たり前のことでありますが、私たちは父親母親のご縁を頂き、今命があります。

「親の心、子知らず」という諺がありますが「別に産んでくれと頼んだことは無い。」... 一度は、親に言ったことはないでしょうか?

このご縁を仏教の言葉で「因縁」と申します。今では、「悪い運命」や「言いがかり」を意味する言葉と捉えがちですが、決してそうではありません。

私には、娘が二人居ります。檀信徒の方にとって、寺の跡継ぎには男の子を望み、つい数年前までは、その声がありました。現在はありません。それは、長女が「得度」をして、「法脈相承」を済ませたからです。すると、とたんに「女の子なのに、えらいねぇ。」「これで、お寺も安泰だ。」憑きものが、取れたかのようにニコニコ顔になりました。総本山誓願寺は、女人往生のお寺でも名が知れています。このお寺で修行が出来たことは、娘にとっての因縁です。

娘は修行終え、辛かった修行の愚痴を言い出すかと思えば、「父さんと母さんと妹が居てよかった」と、帰る家があり、家族の愛情に気づくことが出来たのです。

法然さまは、「なかなか生まれてくることの出来ない人の身体に生まれさせて」と仰せ下さいました。あなたは、どうでしょうか?人として生まれ、あなたの人生、誰が決めるのでしょうか?

子どもの頃を思い出して下さい。小学生中学生の頃、ピアノや、水泳など習い事はしましたか? ご両親は、あなたのあらゆる可能性と期待を望み、習い事をさせたことでしょう。

中学生高校生になり、部活動に励みましたか?辛く挫けそうになることが、何度もあったことでしょう。その時の経験、努力、苦労が、必ずあなたの糧となっております。

望んだ道を究め、その職業に就くが出来る人は僅かです。「思うようにならなかった」と言う大人がほとんどではないでしょうか?その人生の中で、「決して仕事だけではない。」と嫌な仕事の合間に友人とカラオケなど謳歌することを楽しみとしたり、趣味を極める人もいます。今からでも、遅くありません。一度きりの人生であります。今を楽しく生きる何かを見つけて下さい。そこに心がある時は、安心できる時であります。

仏さまは、あなたが、今を「安心」して過ごされることを望んでおります。これが、因縁であります。

(※仏門へ入る為に「戒」を守ることを誓い、形だけ髪を剃る儀式をすること。)
(※歴代の僧侶が学んできたことを、受け継ぐ修行のこと。期間は十日間。)

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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