平成24年5月の法話/杉浦秀祐師/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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平成24年5月の法話/杉浦秀祐師


平成24年5月の法話/杉浦秀祐師の画像1
【担 当】 杉浦秀祐 師 〔愛知県西尾市 宝珠院 住職〕
【御 題】 「本堂落慶に随喜して」

 


 

 


 

 

最近二つのお寺で本堂が新築再建されて落慶法要にお招きいただき参列いたしました。

真新しい本堂に一歩足を踏み入れるとえもいわれぬいい香りにつつまれました。木の香り、畳の匂い、漆の匂いに混ざってかぐわしい沈香の香りがお堂に満ち満ちていました。まるで極楽にいるような心地でありました。

当日は檀信徒総出で、おじいちゃんおばあちゃんは本堂でお参り、おとうさんは受付係や案内係り、そしてカメラマン。おかあさんは接待係りと手伝いされ、お孫さんはお稚児さんとして花を添えられるという大法要でありました。まことにお目出度いことでありました。

お寺にとって一番大切な本堂を新築するということは一大事業であり住職にとっても檀信徒にとっても大仕事であります。昔から本堂を再建した住職はその寺の中興開山の上人としてその功績は後々まで讃えられることです。

本堂を新築するということは住職一人では出来ることではありません。住職を中心としてお庫裡さんはじめ寺族の協力、また檀信徒の絶大なる支援と大工さんはじめ工事関係者の技術などが相まって本堂が完成したのであります。

このことはお釈迦様の教えでいえば「縁起」ということでしようか。一切のものが一点の例外もなく皆かかわってあつて存在しているというのである。例えば何千点もある時計の部品の一つが故障すればその時計は止まってしまって動かなくなります。つまり一つの部品を動かす背景に、時計を構成している部品のすべての働きがかかわっているのです。

本堂を構成している土台から屋根瓦までが一体となって本堂が出来ているのです。また本堂が信仰の対象となるからには、信心を起こさせるための仏具荘厳もなくてはなりません。なによりも本堂を建設することにかかわったすべての人々の誰がかけても本堂は完成しないのであります。また人が生きていることもおなじことであり、大勢の人にささえられて生きているのであります。助けたり助けられたりして生きているのであって、まさに他のものによって生かされているということであります。

法然上人に「真実他力」という教えがありますが、まさに阿弥陀仏の他力、大勢の人達の協力によって大事業を成し遂げることが出来たのであります。いいかえれば出来上がった本堂は念仏の結晶ということができます。

今後何百年も新築された本堂に人々が集い念仏の教えが相続されるニとでありましょう。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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