しゃぼん玉/令和2年8月の法話/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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しゃぼん玉/令和2年8月の法話


しゃぼん玉/令和2年8月の法話の画像1
【担 当】 杉田道秋 師 〔愛知県豊川市 立信寺 住職〕
【御 題】 「しゃぼん玉」

 


 

 


 

 

1945年8月6日午前8時15分、アメリカ軍が日本の広島に世界で初めて 原子爆弾を投下しました。その3日後の8月9日午前11時2分、長崎にも原 子爆弾が投下されました。

数えきれない程の多くの尊い命が一瞬にして奪われてしまいました。そんな 失意の中で、8月15日終戦を迎えました。もう二度と繰り返してはいけない 過ちであります。 野口雨情の「しゃぼん玉」と言う有名な歌があります。

シャボン玉飛んだ屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで こわれて消えた

この歌は、我が子を亡くした雨情自身の切ない心情を詠ったものです。

シャボン玉消えた 飛ばずに消えた
生まれてすぐに こわれて消えた
風風吹くな シャボン玉飛ばそ

「風風吹くなシャボン玉 飛ばそ」というやさしさは、「生まれてすぐにこ われて消えた」という悲しみの中から生まれたやさしさであり、詩人雨情の声 であると共に子供に先立たれた親の魂の叫びでもあります。

理不尽な戦争によって犠牲になってしまった尊い命。生まれてすぐに逝って しまった幼い命。 まさしく、人生の「諸行無常」を感じずにはいられません 派祖円空立信上人様は 「くもりゆく人の心の末の世を昔のままに照らす月かげ」とお歌を 詠んでおられます。

この娑婆世界において、常に過ちを繰り返す私たちでございますが、阿弥 陀様のお導きは昔から変わることなく、お念仏を申す者をお救い下さるのでご ざいますよ。とお示しを下されているのであります。

今年も暑い夏とともに、お盆と終戦記念日がやって参ります。心静かに手を 合わせご先祖様をお迎え致しましょう。

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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