平成18年12月の法話/尾崎圭祐師/お説教の詳細ページ/浄土宗西山深草派布教師会

浄土宗西山深草派 総本山誓願寺


 

 


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平成18年12月の法話/尾崎圭祐師


平成18年12月の法話/尾崎圭祐師の画像1
【担 当】 尾崎圭祐 師 〔愛知県蒲郡市 真牧寺 住職〕
【御 題】 「良い心を持つ」

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 尾崎圭祐師は平成24年2月12日に遷化されました。
 この場を借りまして謹んで哀悼の意を表します。
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深草の法話のホームページを開いて頂きましてありがとう御座います。

私のお話は、良い心を持つと言うことと悪い心を持つと言うことです。 

悪い心を持つと申しますのは、人は、ともしますと、不安や、不信、孤独、あせり、疲労の中に、よろいや、つっかい棒を持ち、暗い閉じた世界の中に反問をし、信頼を失って行く生活をして行くと言う事です。

良い心を持つと言うことは、大地よりの信頼の喜びの命に還り、日常生活を取り戻し、安心と信頼とゆとりと共生きの命の中に、よろいやつっかい棒を解き、自分なりの時と思いやりを持ち、信頼の生活を培ってゆくと言うことです。 

今日は、良い心を持つと言うことについてお話ししたく思います。 

ある料理研究家の、お母さんの思い出話を二つ引用させて頂きます。

一つは、そのお母さんも料理研究家でしたが、そのお母さんのお料理の基本は、子育ての中の工夫がレシピになったのだそうです。 そのレシピは、現在も使われているのだそうです。 

卵の少なかった時、何とか子供達に卵を腹一杯食べさせたいと思われて、心臓焼きという大きな卵焼きを作られたというお話しがありました。 それは、卵をたくさん使うというのではなく、作る上の工夫でなされたようです。子供達は喜んで、びっくりしたと言うことで心臓焼きと命名したのだそうです。  

また、もう一つのお話しは、おもてなしをする時に、握り寿司を作るのだそうです。
庭にちゃぶ台をだし握るだけなのですが、人は、絶妙の味とほめたそうです。 すしネタも普通のものだそうです。 何が、人にそれを言わしめたかというと、どうもそのすしを、その人の口に合わせて握られたようです。 

そのお母さんは、口を見れば、口の中を分かると言って見えたようです。

それは、昔、栄養失調の子供におっぱいをあげた時に、その子供の口の中が荒れ、貧弱になっていたそうです。 それ以来、口を見ればその様子が分かると言われるのです。 お寿司を握る時もその人の口に合わせて握られたのです。 

この二つのお話しは、卵をたらふく食べさせたいと言う事にたいして、工夫をし、どうおもてなしをすればよいかという事に対して、思いやりを持ってなされたのです。

大事なことは、事が起きても、不安や、不信等の中に反問し、信頼を失ってゆく生活をするのではなく、大地よりの信頼の喜びの命の中に日常生活を取り戻し、共に生きる命の中に、よろいやつっかい棒を解き、自分なりの時と思いやりを回復し、信頼を培ってゆく生活をすることです。    




合掌 十念

 

 

このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。


法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。

この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)


 


 

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