平成18年10月の法話/木村賢隆師
【担 当】 木村賢隆 師 〔愛知県西尾市 専長寺 住職〕
【御 題】 「蓮の花についてお話しましょう…」
蓮の花についてお話しましょう…
蓮の花といえばすぐ佛さまを思います。
それは蓮の働きに、大きな意味があります。
蓮の花は泥の中から美しい花を咲かせます。
同じように私たちののごった心の中にも、美しい花は咲く事を教えています。
スイレンを水槽に植えてごらんなさい。
蓮は水面より下に深く植えても、茎はどんどん上に伸びて、水面に達します。 また今度は水面に出た葉を裏返しにしておくと、いつの間にか元にもどって表面を向いています。 なんと自生力の強い植物でしょう。
「人間も生きるためには一生懸命になり、自分に沿った生き方をしなさい」と諭しているようです。
蓮はインドが原産地です。
お釈迦さまは、きっと日頃に蓮の花をご覧になり楽しんでいられたことでしょう。
インドのお釈迦さまが、お悟りを開かれたブッダガヤの大精舎に、私も数回巡拝いたしましたが、その塔の周囲に池があり、やはり蓮が植えてありました。
蓮は私たちの心の乗り物です。
多き蓮の葉は人間をも乗せて浮かびます。
葉裏には浮かぶような植物組織に成っているのです。
浄土宗の大切な法要に五重相伝と受戒の儀式があります。 この法要儀式中で法弟(法要に参加した受者)は必ず白い蓮の花びらを渡されます。 この花びらのことを専門用語で籌(チュウ)と言います。
一人一人この花びらをもらいます。 この一葉の花びらに、私の今まで作れる罪を乗せて佛さまに受け取って頂くのです。 そして綺麗な姿になりますと誓うのです。
蓮の花は早朝に「パッ」と小さな音を発して咲きます。
私もそうありたいと思い「南無阿弥陀仏」と称えています。
合掌 十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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