季節の法話/長月(九月)/杉田道秋師
【担 当】 杉田道秋 師 〔愛知県豊川市 立信寺 住職〕
【御 題】 「九月」
私たち人間がこの世で生きていく中で…、
何に一番生き甲斐を感じているのでしょうか?
それは、「だれかに求められている。期待をされている。」という思いを持つことであります。 その人のために一生懸命つくし、なにかをしてあげることができる喜びを感じることでないでしょうか。
身体に障害を持つ男女が愛し合い結婚をいたしました。 二人とも車椅子の生活で、自由になるのは奥さんの右手だけであります。健康な人にくらべ困難なことも多くありましたが、それは二人にとって苦痛ではなく喜びでありました。自由になる右手で夫に着物をきせ、顔を洗い、ヒゲをそる。 それは想像をこえる苦労があります。 それでも、お互いつくす相手のあることが大きな喜びでありました。
愛するということは、見つめ、守り、相手に豊かな幸せをあたえることであります。
仏教ではそれを「布施」といいます。 「布施」とは、施しをしたほうが、もらっていただいた人に対して「ありがとう」とお礼を言うことであり、それが仏教の説く「愛」であります。
報酬を求めない無私の愛こそ、もっとも尊いのであります。
合掌 十念
このたび、当布教師会より法然上人800回大遠忌記念事業として法話集「法然さまからのお手紙とお歌」を出版いたしました。
法然さまが「黒田の聖人(ひじり)」に宛てた一紙小消息を、管長猊下お手ずから、わかりやすく現代の言葉に置き換えていただき、それを一区切りづつ布教師会の布教師がお説教として書き下ろしました。 また法然さまの代表的なお歌を八首取り上げ、それをテーマとしたお説教も掲載しております。
この本のお求めは、≪総本山誓願寺公式サイト「出版書籍のご案内」ページ≫ よりご購入いただけます。(一部1,000円税込/送料別)
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